バ科学者のノート 2冊目

小説をただひたすらに書いていく

【スーツ武器オフ会】「強さ」の先に【タイローン編】

ぐしゃぐしゃの赤髪、色の落ちた鋭い歯、変色した指の先

それでもここに来るノイジー兄さんは微笑みながら言ってくれた

「そんな君も大好きだよ」

元来兄弟が大好きだったノイジー兄さんから出る偽りのない言葉

それでも、俺には苦しかった

 

ガスマスクと手袋であらゆるものを規制して送る生活

苦しくないと言えばうそになる。けれど、これが正しいと分かっていた

この正義は、ディクライアン兄さんも分かってくれるだろうか

 

俺に、兄貴たちを守る力があれば

何度後悔したか分からない。この力を扱う答えが欲しい

だから、俺は思わず訊いてしまうのだ

答えなんて無いと分かっていても。それが純然たる「間違い」であっても

 

「……「強さ」って、なんだ?」