バ科学者のノート 2冊目

小説をただひたすらに書いていく

14 夜更けの会議

広い部屋にはランプが一つ灯るだけだ。顔を突き合わす四人。伊藤浩太、伊藤乙哉、田辺雄介、石川卓郎。四人の会合はひそやかに行われる。

「兄貴、大丈夫だった?」
「うん。声が聞こえた以外は何ともなかったから」
「西の果て、か。当てはあるのか、石川」
「古くからパワースポットとして祭り上げられた土地が西にある。十中八九そこの事だろうな」

 

どうする。四人の視線が集まる。
「無下にするのも気が引けるが、おびき寄せられてる気もしないでもないな」
「この館は山奥だが、そろそろ誰かに見つけられる可能性も否めないな」
頭を悩ませていたところに、乙哉が声を上げた。
「皆は西の果てに行って。留守番は僕たち青龍組が受け持つよ」
「いいのか、乙哉」
「うちの組は体を張るのには向いていないからね。その代わり、逐一様子は確認するよ」

 

「よし。俺たち三人でメンバーを選抜しよう。残りの面子と青龍組は警戒しておいて」
「大丈夫か、伊藤弟」
「任せて。そのプランでいこう」
「さて、選抜メンバーなんだが……」

 

その会議は夜更けまで行われたらしい。