バ科学者のノート 2冊目

小説をただひたすらに書いていく

ブラック

外界の色が嫌いな女の子の話。
曲がつけられなくて挫折した…。


 
ヴィヴィットな色の歌手が
カメラ目線でウィンクした
まるで私を見下して
馬鹿にしてるようだった
とても頭にきたので
この真黒い右腕を
テレビ画面に突っ込んだ
向こうは真黒になった
 
いい気味だ
見下した君が今
私の色に染まって
黙る
 
嫌いだ こんな色なんて
目に痛いほど美しいじゃないか
嫌いだ こんな音なんて
私の頭をおかしくするつもりかい?
 
 
真っ白な色の君が
頭下げて告白した
まるで私を知らないで
誰でもいいように見えた
とても頭にきたので
この真黒い左手で
君の頬を叩いてやった
君は真黒になった
 
いい気味だ
無知だった君が今
私の色に染まって
嘆く
 
嫌いだ こんな色なんて
何色にでも染まるじゃないか
嫌いだ こんな声なんて
君が好きと安易に吐きやがって
 
 
淡い色も 濃い色も
赤も 青も 黄も 何もかも
染まっていく 真黒に
でもおかしいんだ
私の右腕はヴィヴィットに
私の左手は真白に
こんなのあっていいことなの?
 
嫌いだ こんな色なんて
なにも受け付けないほど独人(ヒトリ)
嫌いだ こんな私なんて
まるで私が染まるみたいじゃないか