バ科学者のノート 2冊目

小説をただひたすらに書いていく

7 楽しみ

「お話はかねがね伺ってますよ。元気そうでよかったです」
カジノの端にあるテーブル席でオレンジジュースを飲みながらマヨイは言う
ルソーはヤヨイをちらりと見た。どうしよう、という顔でヤヨイもこちらを見ていた

「お前は最近生活はどうよ、マヨイ」
ハシモトの声かけに嬉しそうにマヨイは返す
「おかげさまでいつも通りの生活を送れてます。あ、でも、ここを紹介してもらった時から夜は劇的に変わりました」
「ヒヒッ、そうかい」

「マヨイちゃんが強運なのはわかってたけど、まさかカジノにいるなんてね」
「いるだけじゃないぜ。この半年でマヨイはカジノの主に近しい存在になってる」
ヤヨイの言葉にハシモトは返した
「当然、金もがっぽり持ってるわけだ」

「成程。つまり「二つ名持ち」を雇うためのお金をここで稼いでしまおうということですね」
「ビンゴ。そして、その交渉をマヨイにしに来たわけだ」
しかし、とルソーは呟いた
「そんなにうまくいくものですかね」

「ヤヨイさんたちには命を助けてもらいましたし、そのお返しができてないので喜んで協力します」
でも、とマヨイは続ける
「流石にここでタダで乗るわけにはいかないんですよね」
「交換条件、か。なんでも言ってみろ、マヨイ」

「「ここ」はカジノですよ、ハシモトさん」
マヨイの笑顔に、ハシモトも笑って返す
「ヒヒッ、そういうことかい」

「ヤヨイさん、ちょっとだけ遊んでくれますか?」
「え? 私?」
戸惑うヤヨイにマヨイは声をかけた
「カジノでの取り決めは、「賭け」が全てですからね!」