バ科学者のノート 2冊目

小説をただひたすらに書いていく

11 脅威はいくつ?

「今の段階で割り出されている脅威はいくつかある」
パソコンのキーを叩きながらハシモトは言う。
カルミアは秘密裏に殺人鬼との多数の契約をかわしているからな」
「その筆頭が『猿回し』と『匠』、『薬師』というわけですね」
「その通り」

ハシモトの裏事務所にはカジノから直帰したルソーと呼び出されたアイラがいた
ヤヨイはマヨイとつもる話があるらしく、後から帰ると残して別れた
「でもよ、仮に雇った殺人鬼の中にカルミアのお抱えがいたらどうするんだよ」
「そこは任せろ。情報網使えばいくらでもそんなもの転がってる」
「……お前を敵に回さなくてよかったよ」
「そりゃ、どォも」

「『猿回し』が作るキメラなんかも注意した方がいいかもしれねぇな」
アイラの言葉にルソーは頷きながら、顎に手をおいた
「……『猿回し』自身も危ないかもしれません」
「あ?」

「彼は常に指揮側に回っていましたが、彼自身がなにかを隠し持っていてもおかしくない」
「例えば」
「貴方の「亡霊」のようなものです。もっと言うなら、『預言者』の預言などといったもの」
ハシモトは頭をかかえた
「超自然的能力ってことな。たしかにないとは言い切れない」

「奴の心器は時計。真意は何かは知らねぇが、万一時を操りでもしたらたまったもんじゃねェ」
「可能性はあります。慎重にいきましょう」
ルソーはそう言って出されたコーヒーを飲んだ