バ科学者のノート 2冊目

小説をただひたすらに書いていく

変わり果てた姿

「いいえ、私のところには来てないわ」
ロイヤルのその言葉に下を向くヘテロ一行
「仕方ない。地道に探すしかなさそうだ」
柿本の声に、ロイヤルが反応した
「だったら、私も行きます。鬼才さんに何かあったら、助けてあげないと」

「でも、もう夜やしチームメンバーも心配せぇへんの?」
「大丈夫よ、苺ちゃん。心配してくれるのね」
ロイヤルはそういうと、一度拠点へと戻っていった

再び出てきたロイヤルと合流し、夜道を歩く
月が明るく輝いているが、街灯の少なさ故に暗く感じてしまう
たまには夜に出歩くのもいいなと梨沢が思った時だ

「……!」
ロイヤルが突然足を止めた
「どうかなさいましたか、ロイヤル様」
「この匂い、毒属性独特のもの……。近くに、居るかもしれない」
ロイヤルは先陣切って歩き出した
ヘテロ一行はそれについていく

数分も歩くと、住宅も減って人通りの少ない街の奥まで来ていた
「あっ」
栗原が叫ぶ
「皆、あれ!」
栗原が指さした先には

黒い霧のようなものを纏っている鬼才の後ろ姿があった