バ科学者のノート 2冊目

小説をただひたすらに書いていく

29 突然の展開

ヤヨイに誘われフブキはアイラと共に買い出しに出ていた
「俺、こういうの苦手なんだよなぁ。細かすぎる作業というか」
「裁縫はどうしても細かくなるわよね。でも、慣れてしまえば楽しいものよ」
「というか、針が細すぎて折れちまうんだよ」
「それはそれですごいかも」

何気なく会話をしていた時だった
「……あれ?」
違和感を感じ、フブキは立ち止まる
「フブキさん?」
「ヤヨイさんは?」
アイラもそちらを見るが、確かに先ほどまでいたヤヨイがいない

「フブキさん! アイラさん!」
やや遠くでそんな声が聞こえ、二人は振り返った
そこには『猿回し』に片腕で取り押さえられたヤヨイがいた
「よう、お久しぶりってやつだなぁ、『折り鶴』」
「『猿回し』っ!?」

「そちらのお姉さんは初めましてだな。俺はカルミアの上官『猿回し』。よろしく」
「!」
事の重大さに気づいたフブキは左胸に手をあてる

「今からお前ら三人を殺して、『赤髪の殺人鬼』を消し去ってやる」