バ科学者のノート 2冊目

小説をただひたすらに書いていく

16 説教の時間

「素人連れていく必要はなかったでしょうが! 馬鹿!」
ハレルヤ家の玄関先でルソーとハシモトが正座でヤヨイの説教をこんこんと聞いている
ヤヨイの後ろにはマヨイが震えながらしがみ付いていた
『リース』をめぐる一連の流れをマヨイから聞いたヤヨイがわざわざ説教にきたのであった

「どうせ囮を使うんだったら私でもよかったじゃない!」
「しかし、これはマヨイさんの運が必要で」
「黙りなさい!」
ぴしゃりとヤヨイはルソーを黙らせた

「私たちの役目は、あくまで私を狙う犯人を制圧して、マヨイさんをもとの生活に帰してあげることなの! それが、マヨイさん本人が死んじゃったら元も子もないじゃない!」
「や、ヤヨイさん、その位でいいですから、その……」
マヨイが静止にはいろうとすると、ヤヨイはぐるりとマヨイの方を向いて肩に手を置いた

「貴方も、危険だと思ったら断っていいんだからね、マヨイさん。私たちは、貴方のために全力を尽くすって約束したんだから」
「……ヤヨイさんって、いい人なんですね」
マヨイは遠慮気味に言った

「……私は、「いい人」なんかじゃないよ」
ヤヨイは悲しそうに笑って見せた