バ科学者のノート 2冊目

小説をただひたすらに書いていく

7 一発

人形が出たとの通報を受け、兼森は仲間と街中に駆り出されていた
既に非難は終わっており、兼森は人形の排除に専念するように指示されていた
しかし、まだ人形を壊すことに迷いのある兼森の銃さばきは安定していなかった

「新人くーん? そんなんだとすぐに死んじゃうよー?」
飯伏の言葉に「わかってますよ」と返すが、兼森は焦りで尚更銃を扱えずにいた

その時
「兼森君! 横!」
隊長の鋭い声に意識が覚醒した兼森は、もう既によけられない位置に人形の手が及んでいたことに気が付いた
危ない。それだけを悟り、思わず目をつぶる兼森

しかし、人形は何かにぶつかると大きく跳ね飛ばされ、地面にぐしゃりと伏せた
「え……?」
兼森は呆然とする
その肩を叩いたのは、大ぶりなハンマーを持った数屋であった

「油断しちゃだめだよ、兼森君」
彼はにっこりと兼森を諭すと、ハンマーを握って再び戦場に舞い戻っていった
そうだ、今はとにかく人形を排除しなければならない
兼森はようやく拳銃をしっかりと握りなおした