バ科学者のノート 2冊目

小説をただひたすらに書いていく

【エピソード・桃子】プロローグ

あ? 話がしたい?
そりゃかまわねぇが、お前、俺のつまらない話を聞いても楽しくないだろ?
……やめろよ、そんな目でこっちを見るな

しかたねぇなぁ
ちょっと話してやるか
これは、俺がチーム「ヘテロ」に所属して間もなくに起きた事件だ



あり得ない
バイスに流れてくるニュースを見ながら私は思った
当然である。そもそも事件が少ないこの近辺で、突拍子もなく起こったことなのだから
私は身震いした。そして万感を吐き出したくなった。これが赤の他人なら、どんなによかったか

うそだ。杏子ちゃんがいなくなるなんて信じられない
またあの時みたいに遊べるって信じていたのに
また笑おうよ。遊ぼうよ。討伐だって、私、まだ下手くそなのに

地面にはぽつぽつと、涙の跡がのこった