【エピソード・桃子】プロローグ
あ? 話がしたい?
そりゃかまわねぇが、お前、俺のつまらない話を聞いても楽しくないだろ?
……やめろよ、そんな目でこっちを見るな
しかたねぇなぁ
ちょっと話してやるか
これは、俺がチーム「ヘテロ」に所属して間もなくに起きた事件だ
あり得ない
デバイスに流れてくるニュースを見ながら私は思った
当然である。そもそも事件が少ないこの近辺で、突拍子もなく起こったことなのだから
私は身震いした。そして万感を吐き出したくなった。これが赤の他人なら、どんなによかったか
うそだ。杏子ちゃんがいなくなるなんて信じられない
またあの時みたいに遊べるって信じていたのに
また笑おうよ。遊ぼうよ。討伐だって、私、まだ下手くそなのに
地面にはぽつぽつと、涙の跡がのこった