バ科学者のノート 2冊目

小説をただひたすらに書いていく

【エピソード・桃子】標的はかわいこちゃん?

「近隣の地方アイドルが失踪を続けている、だ?」
ソファに座っていた梨沢がだらけるように反り返りながら訊いた
トラブルを引っ張り込んでくる柿本がおらず、林檎が小型ルイウと遊んでるのを見計らって、栗原が切り出した
「そうなんだよ。というか、最近ここいらで女の子が失踪する事件が多発している」
「うちが歩いてた時におせっかい焼のお姉ちゃんに言われたんや。あんたも女の子なら気ぃつけやって」

「その件は僕の自警団でも扱っていてね。失踪者のリストを借りてきたんだ。参考になるといいけど」
鬼才はそう言ってデバイスを取り出して操作する
「……」
「……」
「……ねぇ、すごく不謹慎なこと言っていい?」
「あまりに度が過ぎるようなら後で説教ですよ、栗原様」
「ひどいなぁ、梅ヶ枝さん。……被害者、皆可愛くない?」

「それは俺も思った」
「うちも感じたわ」
「あれー、皆同じこと考えるもんなんだねぇ」
「揃いも揃って貴方方は……」
梅ヶ枝はため息を吐く

「まぁ、いいでしょう。仕事の片手間ではありますが、この件も調査する方向で」
「助かるよ。真苅さんもああ言われたことだし、不安は早いうちに取り除きたいもんね」
栗原は明るい声で言った

「ところでよ、柿本の奴、どうしたんだ?」
「ちょっと散歩に、って言ったっきり帰ってこないね」
「支障はでませんが、この件も伝えておきたいのですがね……」
「まぁ、ええやん。ゆっくり待とうで」

時同じくして、柿本は一人の少女と会っていた