バ科学者のノート 2冊目

小説をただひたすらに書いていく

24 いかせない

「よう、機械女」
そんな声をかけられ、草香は振り向いた
誰もいない路地にいたのは、以前家に踏み込んできた殺人鬼
「何ですか、貴方」
「『匠』と呼べ」

『匠』は悠然と草香に近づく
「うちの会社と部下が、お前の仲間に世話になってるらしいじゃねぇか」
「それがどうかしたのですか」
「お礼参り、だよ」

『匠』はのこぎりを草香に向けた
「『最初の殺人兵器』さんよぉ、よければ拠点まで案内してくれねぇか」
「嫌に決まっているでしょう。大体、貴方はそれを知らないはずがない」
「そうかい。なら」

「力づくで殺してやる」

草香は一度辺りを見回して人がいないのを確認すると、さっと構えた
「ここから先は、いかせません」
命に代えても、いかせない