バ科学者のノート 2冊目

小説をただひたすらに書いていく

彼らの仕事

羽ばたく音が聴こえる
大柄な蝙蝠のルイウの群れが、住宅街を羽ばたき、獲物を探す
前方に人間を発見。やや小柄な男性
ルイウが襲いかかろうとしたその時

『蝙蝠型ルイウ【3】、討伐を開始します』
無機質なアナウンスの後、最後尾からぐちゃりと大きな音がたった
群れが止まる。見ると、最後尾にいたルイウは頭を割られた無惨な姿で人間に踏まれていた
背の高い男が握るのは、身の丈ほどの大斧。これで頭を割ったのは明白だった

ルイウの群れは危険を察知し、逃げようとする
すると今度は前方から悲鳴
今の今まで獲物にしようとしていた男が、何処から取り出したか、綺麗な光を反射する大きな鎌でルイウの首を落とした

「死神代行業者のお通りだ」
前方の男が鎌を振り上げ、後方の男は斧を下手に構えた

数分もすればルイウの群れは灰となって風に巻き込まれていた
信行は軽く伸びをする
「やっぱり師匠ほど上手くはいかないね。ルイウの死体を保存する、か」
「俺たちの目標はそこじゃないだろ」
「興味はあるじゃん。死神代行業者としては。違うかい?」
「……否定はするまい」
秀忠はため息を吐いた