新たな出会いとタイムリミット
「……!」
がばりと起き上がる
ここは何処だ?
真っ白な個室のようだ。申し訳程度のベッドと机、ちいさな椅子が置かれている
俺はどうやらこのベッドに寝かされていたらしい
何故こんな所にいる?
確か、妙な靄に身体を奪われて、気を失ったはずである
思考を巡らせど、思い当たる事象は浮かばない
考え込んでいると、ドアが開き、誰かが入ってきた
「あ!」
彼は俺の姿をみとめると、抱きつくかのように駆け寄った
「よかった、生きてた…!」
ガロン・ハーヴォックと彼は名乗った
元々自警団で働いていたが、属性の関係で自ら自警団を退き、医者になって間もないという
「君が道端に倒れていたから、びっくりしちゃって、慌てて連れて帰っちゃった。怪我はなさそうだけど、大丈夫?」
ガロンは心配そうにこちらを見る
「え、ええ、私は大丈夫……」
そう言いながら、ほどけていた髪を掬い上げた時に気がついた
「……じゃ、ないかも」
私の髪は、黒く染まっていた
先程「闇華」と名乗った靄が身体の中に入ったことは、間違いないらしい
『……ちっ、相手を間違えた』
不意に頭に声が響いてきた
直接脳内に響くこの感覚。気持ちが悪い
『思ったより強靭な精神をもってるらしいな、お前。俺が乗っ取って、けろっとしてるのは初めてだ』
悔しそうな台詞ではあったが、まだ余裕がありそうな口振りだ
今頼れるのは、目の前にいるガロンしかいない
「助けてください!ルイウだかなんだか分かんないけど、変なのが私の身体を乗っ取ろうとしてるんです!」
「なんだって!」
ガロンはわたわたとしだした。案外突然の出来事には弱いのかもしれない
「何とかしよう。僕にできるのはほんの少しだけど」
「かまいません。私も手伝います」
こうして、俺とガロン、そして「闇華」の奇妙な生活が始まった
がばりと起き上がる
ここは何処だ?
真っ白な個室のようだ。申し訳程度のベッドと机、ちいさな椅子が置かれている
俺はどうやらこのベッドに寝かされていたらしい
何故こんな所にいる?
確か、妙な靄に身体を奪われて、気を失ったはずである
思考を巡らせど、思い当たる事象は浮かばない
考え込んでいると、ドアが開き、誰かが入ってきた
「あ!」
彼は俺の姿をみとめると、抱きつくかのように駆け寄った
「よかった、生きてた…!」
ガロン・ハーヴォックと彼は名乗った
元々自警団で働いていたが、属性の関係で自ら自警団を退き、医者になって間もないという
「君が道端に倒れていたから、びっくりしちゃって、慌てて連れて帰っちゃった。怪我はなさそうだけど、大丈夫?」
ガロンは心配そうにこちらを見る
「え、ええ、私は大丈夫……」
そう言いながら、ほどけていた髪を掬い上げた時に気がついた
「……じゃ、ないかも」
私の髪は、黒く染まっていた
先程「闇華」と名乗った靄が身体の中に入ったことは、間違いないらしい
『……ちっ、相手を間違えた』
不意に頭に声が響いてきた
直接脳内に響くこの感覚。気持ちが悪い
『思ったより強靭な精神をもってるらしいな、お前。俺が乗っ取って、けろっとしてるのは初めてだ』
悔しそうな台詞ではあったが、まだ余裕がありそうな口振りだ
今頼れるのは、目の前にいるガロンしかいない
「助けてください!ルイウだかなんだか分かんないけど、変なのが私の身体を乗っ取ろうとしてるんです!」
「なんだって!」
ガロンはわたわたとしだした。案外突然の出来事には弱いのかもしれない
「何とかしよう。僕にできるのはほんの少しだけど」
「かまいません。私も手伝います」
こうして、俺とガロン、そして「闇華」の奇妙な生活が始まった