バ科学者のノート 2冊目

小説をただひたすらに書いていく

壊れた日常

ガロンとの生活は充実していた
彼の属性は回復属性
故に身体を張って対象を護ることが多く、前の自警団では皆をひやひやさせていたらしい

俺は沢山の本を読み、「闇華」を追い出そうと努力していた
しかし髪は黒くなる一方で、効果を成さなかった

ある夜のこと
何時もよりガロンの帰りが遅いのを心配しながら机に向かってると、ガチャリと音が聞こえた
玄関に出ると、ガロンが帰ってきていた
「おかえり、ガロン」
「ただいま、大黒……っ!」
瞬間、ガロンは血相を変えて家から飛び出し、ドアを閉めた

「ガロン!?」
俺はあわててガロンを追おうとしたが、ドアが開かない
ガロンはドア越しに俺が出ていくのを止めようとしていたのだ
「っ……ごめん、大黒屋さん」

「君の「闇」の進行をなめていた。君の目を見た瞬間、トラウマに襲われた」
「!」
「ごめんね。こんなことしたくないけど。打開策が見つからない限り、君は外に出ない方がいい」
ガロンの声は震えていた。泣いているのか?

「この建物は君にあげよう。好きに使ってくれてかまわない」
「でも、ガロンが」
「僕のことは気にしないで。いつかまた、君に会える日が訪れたら、もう一度お話しよう」

「さようなら」
その声を最後に、ガロンはいなくなった