バ科学者のノート 2冊目

小説をただひたすらに書いていく

彼らこそ賞金稼ぎ

「さァて」
男は拳銃を持ったまま後ろに下がる
「マヨイ、あと何分で全員揃う?」
マヨイと呼ばれた女の子は端末を見ながら答える
「ちょっと待ってください。さほどかからないはずです」

「ヤヨイ、俺とお前だけでどれだけもちそうだ」
男、マヨイ、そしてヤヨイと呼ばれた少女は背中合わせになってルイウの群れに囲まれていた
「レベル【4】のイノシシ型ルイウの群れ……。もって10分。ううん、10分持たせてやる」
「よく言った。俺の属性は合流してから発動する。いくぞ」
「わかった」
ヤヨイは武器である糸を取り出した

「8分持たせて」
マヨイが声をあげた
「8分以内に集めてみせるから」
「頼むぞ、マヨイ」
男の拳銃が火を噴いた

イノシシ型ルイウが突進してくる
三人はばらけ、男とヤヨイはルイウを引き付ける
一匹、また一匹とルイウの首が飛び吹き飛ばされる
それでも数が多い、ぎりぎりの手数になりそうな時だった

ヒュッと風を切る音
同時に男を襲おうとしていたルイウが横にはじけ飛んだ
「5分」
駆け付けた三人組の中の、一人の男が言う
「マヨイさんの誘導のおかげです。いかがですか、ハシモト」
「……合格だ」
ハシモトと呼ばれた男はにやりと笑った

「姉さん、アイラさん。遠慮はいりません。我々はそもそもここの野生ルイウの群れの討伐にきています」
「んなことわかってる。暴れていいんだな、ルソー」
ルソーと呼ばれた男は指輪をはめて答えた
「存分に暴れてください。ここは僕たちのステージです」

チーム・ブレイカ
賞金稼ぎをしてその場を凌ぐサバイバルチームのような面子
記憶はないが彼らには
殺戮という名の野生の衝動が備わっている