バ科学者のノート 2冊目

小説をただひたすらに書いていく

32 過保護

「姉さん!」
バタバタと音をたててルソーが家に帰って来た
そしてフブキの姿を見つけると、駆け寄って抱き締めた
「よかった、生きてて……」

「なぁに、ルソー?私が簡単に死ぬわけないでしょ?」
フブキは優しく言う
目の前で両親を殺された彼女は、自分を失うことを恐れているルソーの気持ちがわかっていた
「でも、危なかったじゃないですか……」
「そうね。今回はたまたま運が向いていただけ。相手が違ったら、多分死んでた」
でもね、とフブキはルソーの肩に手をのせる
「貴方をおいて死んだりなんてしないから。約束よ」
「姉さん……」

「おい、シスコン。お前がフブキさんを守るんだろ?」
アイラが二人を見ながら言う
「だったら、最後まで守り抜いてみせろ。フブキさんが死んだら、俺が許さないからな」
「分かっていますよ」

ルソーは顔をあげた
「速急に潰しますよ、カルミアを」