バ科学者のノート 2冊目

小説をただひたすらに書いていく

行方不明の仲間

「……はぁ」
バイスを見ながら信行はため息を吐いた
「どうした、信行」
秀忠がホットミルクをもって横に座った。目の前のテーブルに信行の分が置かれる
「まだ見つからないな、と思って」

「家愛の事か」
「うん。急いだところでどうにもならないけど、失踪して半年。そろそろ何か情報が欲しいなって」
信行が指を滑らせるデバイスには、たくさんの目撃情報をまとめたブログ
しかし、そこにそれらしい情報は見当たらない

「分かってるなら急いでも無駄なんじゃねぇの」
秀忠は新たにブラウザを開く
「俺も探すから、あわてなくていい。家愛は必ず見つけ出そう」
「ああ。俺たち、チームタナトスとしてもう一度活動を再開するんだ」

チームタナトス
元々大黒屋の下で活動していた三人が組んだ「死神」のチーム
チームは三人を切ると解散になるが、まだタナトスは存在している
家愛はまだ生きている。そう信じて二人は死神の活動をしながら探してきた
それは今も変わらない

「家愛、また会えるよね」
信行は小さく呟いた