バ科学者のノート 2冊目

小説をただひたすらに書いていく

1 とある助手の独白

私が彼の助手になって、もうそろそろ三年が経つ
彼はフリーランスで探偵を営む天才
私は一々辞書を引かないと言葉の意味すら分からない落ちこぼれ

沢山の蔵書を捨てたという彼の言葉は本当らしく、今ももうすぐいっぱいになる本棚がある
彼は尊敬すべき対象なのだ、多分

「先生ー、伏水先生ー」
そういいながらベッドの上で彼を転がすと、うなり声を上げながら彼は起き上がった
「朝ごはん、冷めちゃいますよ」
「あー……、わかった」
渋々起き上がる彼こそが私の先生、伏水究
私に辞書を託し、助手として仕事を与えてくれた

「もう一回寝る」
「先生!」
私は辞書で先生をひっぱたいた

伏水究は天才である
生活に対するだらしなさがなければ、の話だが