バ科学者のノート 2冊目

小説をただひたすらに書いていく

ルソーとアイラ

ガツン
ルソーの放った蹴りはアイラが腕で受け止めた
足を伸ばす勢いで離れると、ルソーは片手を前に出して構える
アイラは左腕を構え、ルソーに向かって蹴りだした

攻撃とカウンターの応酬が続く
互いにさほどダメージは食らっていない
ルソーはアイラの胸を突いて一度離れた

「ルソー、まだ一撃が軽いぜ」
「アイラさんは単調です。腕を伸ばす以外の行動がとれていません」
「癖になっちまってるんだよなぁ。直さないと」
ルソーは地面に置いていた指輪を拾い上げてつけた

「ルソー、アイラ、飯の時間だ」
ハシモトがタイミングよく入ってくる
「今日も質素だが、明日にはマヨイが稼いできた賞金がどっと手に入るから我慢してくれ」
「いつもマヨイさん頼みでなんだか申し訳ないですね」

「行くか、ルソー」
アイラが先陣切って歩き出す
ルソーは指にはめた指輪を眺めながら、その場を後にした

ルソーとアイラは違う感情ながらも仲間に対する思いは人一倍である
しかし、特にフブキにおいては、ルソー自身、何故そこまで執着しているのか分からなかった
彼には生前の記憶がないのだから