バ科学者のノート 2冊目

小説をただひたすらに書いていく

1 廃工場と秘密基地

ピロピロ
その日、彼女のメール機能が久しぶりに仕事をした
ラインやSNSが流通しているこの時代に一体誰からだとスマホを開く
そこには懐かしい名前が刻まれていた
「……」
彼女は電話に画面を切り替え、そのまま発信した
「……よう、久しぶり。おいちゃん? 元気元気。それよりも、どうしたの、突然」

「よく集まってくれたな」
そこには同じくらいの年齢の男女が7人
繁華街から離れた、草原が見える廃工場に集まっていた
「お前の頼みだからな。断る理由もないさ」
「それにしてもすごいねぇ。皆仕事とか大丈夫なの?」
「夏季休暇取ってこっちに戻ってきてたんだよ」

「いろいろ話したいことはある。が、とりあえず」
リーダー格の男は、廃工場の床にあったハンドルを回し、扉を開く
「ここの掃除から始めないか」

「どの位ここにいるつもりなんだ?」
「ひと夏超えられればいいかもしれないな」
「冷房とネット環境備え付けないといけないな」
「そこはほら、機械屋がいるし」
「俺かよ。まぁ、見てもいいけど」
「なつかしいなぁ、こんなに賑やかなの」

彼女はわいわいと話す6人組の輪に入り、笑顔で言った
「掃除、始めよう!」