バ科学者のノート 2冊目

小説をただひたすらに書いていく

11 監視カメラと千里眼

「……ええ、そういうことだから、よろしく頼むわね」
大黒はそう言って通話を切った
「どこに電話してたんだ、大ちゃん?」
九十九が近づくと、大黒は胸を張って答えた
「警察に、な」

「警察?」
赤城が反応する
「ああ、大丈夫。異能力のことは向こうは知らないし、教えるつもりもない」
「だったら何で」

「警察に知り合いがいるんだ。ちょっとおちゃらけてるけど、仕事はしっかりする奴が」
大黒はスマホを片手でもてあそびながら言う
「そいつに、監視カメラの観察をお願いした。変なものが映り込まないかどうかな」
「成程、できるだけ広い視野がいるというわけだ」
「真宮の能力と合わせて、敵の発見を確実にするためだ」

「向こうは俺を研究者か何かだとおもってるしな」
「実際そうだろ。機械系の職とはいえ、その欲には従順だからな」
「ひっでぇ言い方」
大黒は苦笑いをした

「いずれにせよ、これで広範囲での監視が可能になる。真宮には頑張ってもらわないといけないが、休憩はとってくれよ」
「ありがと。心遣い感謝するよ」
真宮はパソコンと向き合いながら手を上げた