18 破壊と観察
「……さぁて、来やがった」
上空を見て大黒は呟く
七人は廃工場の破れた天井越しに、未確認飛行物体の群れを見た
「!」
真宮がノートパソコンを操作する
「来たよ。エネミーからのコンタクトだ」
「スピーカーに切り替えてくれ」
赤城の指示に頷き、真宮はスピーカーのスイッチを入れた
『諸君。よくも我が同胞を滅茶苦茶にしてくれたな』
エネミーはこちらの言葉を把握していた
「挨拶も無しにそれか? どっちが悪いことをしていたんだ」
『黙れ。そもそもことこの星を観察するに値しないほど引き下げたのはお前たちではないか』
「……どういう意味だ」
『我々は古来よりこの星の活動を観測していた。だが、「人間」が生まれたが故にその活動は地に落ちた。最早この星に観測の余地はない。我々が人間を滅ぼして奪ってやるのだ』
「……お前らの目的なんてどうでもいいけどよ」
赤城が呟いた
「そのつもりだったら、俺たちを納得させてみろよ!」
『うわっ!』
スピーカーから悲鳴が聞こえた
同時に飛行体のひとつが墜落する
『何事だ!』
『隊長、何かが船首にぶつかり墜落した模様……わっ!?』
ひとつ、またひとつと飛行体が墜落していく
「やれやれ、これだけ離れていると狙いを定めるのは難しいね」
「一発当てればいいんだよ」
信楽と大黒が言葉を交わす
船首の外装は、大黒の力により灰にされ、ギリギリまでそがれていた
そこに信楽が石を放ち、中のシステムを滅茶苦茶にしていたのである
「会話の余地はなさそうだ」
赤城は上空を眺めながら言った
深い青から現れたのは、一層大きい飛行体
おそらく、あれがエネミーのボスだ
「スイ、あとは任せたぞ」
大黒は九十九を見て言った
そして、布を被せていた発明品を見せた
「スイ専用、超攻撃力超遠距離のレールガンだ」