バ科学者のノート 2冊目

小説をただひたすらに書いていく

19 一撃と結末

AEDをあるだけ用意しろ!」
上空を覆う黒い影
未確認飛行物体の長がそこにいる

「大黒屋、お前、よくこんな工作思いついたな」
「廃工場だから機器はある程度残ってたしな。ぶっちゃけ動くかどうかは賭けだ」
「試してないのかよ!」
「当たり前だろ。こんなでかいレールガンやすやすとぶっ放せるもんか」

「……照準、よし。この距離なら届く」
真宮がパソコンのキーを叩きながら言った
あるだけの電力をため込んだ九十九は、機械のレバーをしっかりと握る

「スイ。お前のその持っているレバーをもって回路が成立し、巨大レールガンが撃てるようになっている」
大黒が九十九に寄り添って言う
「ためらうな。わずかでも気を抜けば十分な威力を発揮しない。いいな」
「分かった」
九十九は息を吸い、上空の飛行物体を見上げた

「全員離れて耳を塞げ! 発射まで5秒前!」
大黒の声に全員が九十九から離れる
「4、3、2、1……! 撃て!!」

爆音と共に放たれた光線は、はるか遠くの飛行物体を貫いた
点滅を繰り返しバラバラに崩れる飛行物体。統制がとれなくなりまわりの飛行物体も逃げ出すように離れていく

「……終わった、な」
「ああ」
赤城の言葉に九十九は頷き、そのまま気を失った