バ科学者のノート 2冊目

小説をただひたすらに書いていく

20 終幕と約束

予め仕掛けておいた真宮のハッキングによりこの騒動が表沙汰になることはなかった
気を失った九十九はすぐに地下に連れ込まれ、全員の視線の中で目を覚ました

「異常気象が完全になくなったわけではないが、これで俺たちにできることはすべて成し遂げた」
赤城が言う
「ありがとう。そして、お疲れさま」

「別に構いやしないさ」
大黒が返す
「俺たちは不条理から逃れるように生きてきた。正直、この世界を守ってよかったのかってのは、まだ疑問なんだ」
「じゃあ、どうして今回の作戦に協力した?」
大黒は笑って返した
「今日が、カレーだからだ」

この七人の活躍は、永劫知られることのないことだろう
彼らは一つ約束をして、それぞれの生活へと戻っていった

平成最後の夏
たとえ平成という世界が変わっても
来年、またこの基地で逢おう、と



夏の空と廃工場 了