バ科学者のノート 2冊目

小説をただひたすらに書いていく

3 転校生

担任の教師に連れられ教室に入った遠賀川は、指定された窓側の席に座った
ざわざわと教室がざわめくが、遠賀川は聞かぬふりをしている

休み時間になり、真っ先に遠賀川の席に近づく者が居た
自己紹介もそっけなく、人気がでないことが確定してしまった遠賀川は眉間に皺を寄せてそちらを見る
「よ、転校生。暁でいいか?」
そこに立っていたのは二人の女子

青いバンダナをしめ、ジャージをスカートの下に穿いた活発そうな女の子
その後ろで様子をうかがう紫の瞳の女の子
「……なんだ」
「友達になりてぇなとおもって」
ふいと無視を決め込もうとする遠賀川にかまわずバンダナの女子は進める

「俺、水城雲外。こっちは功刀宮椎奈ってんだ。よろしく!」
「よ、よろしく……」
遠賀川は一つため息をつくと
「よろしく」
とだけ言って席を立った

「おい、どこに行くんだ?」
水城の声に遠賀川は答えた
「ここはうるさすぎる。静かな場所を探してくる」
そして、水城が止めるのも聞かずに遠賀川は教室を出て行ってしまった