バ科学者のノート 2冊目

小説をただひたすらに書いていく

7 保健室で

お客様
ついに目覚められましたな
お客様はこれから壮大で邪悪なものと戦わなくてはなりません

その前にお教えしましょう
貴方の「仮面」につけられし名は――



「……あれ」
目が覚めると、そこは見たことのない天井だった
視線を巡らせると、薄いカーテンが周りを取り囲む
白いベッドに寝かされていることに気づき、ようやく彼はここが保健室であることを理解した

脇に据えられていたヘッドホンをつけ、カーテンをめくる
「あ、おはようございます」
春日の明るい声を聞き、黒波も遠賀川が起きたことに気が付いた
「おはよう、暁君」
「おはようございます」

あの、と続けようとすると、先に黒波が声をかけた
「君はどこまで覚えているかしら」
「えっと、学校から出て、先生たちにあって……」
遠賀川はそこで「あ」と声を上げた

「さっきの不協和音が、聞こえなくなってる……」

「不協和音?」
春日が首を傾げて尋ねる
「……なんでもない、です」
遠賀川が渋るのを見て、黒波は提案した

「その「不協和音」について、ちょっと教えてくれないかしら」
「でも……」
「私も、教えるから。貴方の身に、何が起こったのか」