バ科学者のノート 2冊目

小説をただひたすらに書いていく

11 メイス

ドッと大きな音を立ててメイスが壁にめり込む
信行はひらりと舞い上がるとメイスをかわして突撃する
しかしそれを読まれてかわされ、次のメイスが飛んでくる
それが数回続いていた

「ワンパターンだな。二つ名持ちのくせして弱い」
「人の事、言えないんじゃない、三流」
信行は口角をあげる
その耳には、イマイの言葉が流れていた

『いい感じにかく乱できているよ』
『君は一流なんだ』
『臆することはない』
『正義のために殺せ』

イマイの言葉は一つ一つに力があり、信行も安心して聞くことができた
だから、それが力にかわっていくのを感じていた
「死ねぇ!」
『かわせ』
振り下ろされた一撃を、信行はかわす
瞬間、地鳴りのような音があたりに響きだした
そして間もなく、周囲のビルが崩れ落ちた

下敷きとなった男の首を、信行は余裕をもってはねた
あとには瓦礫が残るばかりだった