バ科学者のノート 2冊目

小説をただひたすらに書いていく

12 捨て子の少女

静音が自分のアパートに真たちを連れてきたのはそれから数日後のことだった
「ただいま」
静音がそういいながらドアを開けると、ぱたぱたと小さな音が聞こえてきた

現れたのは小さな女の子
澄んだ青い瞳にウェーブのかかった金髪。西洋人形のようだと真は思う
「おかえりなさい、「おとうさん」」
「お父さん?」
真が言うと、静音はばつが悪そうに頭をかいた

「拾った時からこの調子だよ。住所や親を訊こうにも「貴方がそうです」としか言ってくれない」
「おきゃくさんですか?」
「まぁ、そんなところだよ」
真はしゃがんで女の子と目線を合わせる

「お嬢さん、名前は?」
「ウナバラコトネです」
「コトネちゃんか。僕は彼の友達だ。望月真だから真って呼んで」
コトネは首を傾げた
「「モチヅキマコト」は、かいとうじゃないの?」
「え」

真はかたまった。何故「怪盗」を、「マコト」を知っている?
彼の頭が回転を始めようとしたとき、外で待機していたマコトが飛び込んできた
「真! 「事件」だ! 近くで変な人が!」
真は立ち上がり、走り出した