バ科学者のノート 2冊目

小説をただひたすらに書いていく

11 旧友の教師

事務所でくつろぐ真の元に客人が訪れたのはつい5分ほど前の話である
チャイムに返事をしてドアを開けると、よく見慣れた男が立っていた
「やぁ、望月君」
「飛山さん」
「真、お客かい?」
「ああ、通してくれ」

カップに注がれた紅茶を含み、飛山静音は笑って見せた
「元気にしていたかい」
「勿論だよ。飛山さんは?」
「相変わらず……と言いたいところだけど、ちょっと困ったことがおきてね」
「困ったこと?」
「今回の依頼がそれ、さ」

「捨て子……?」
「そう。一週間前に僕のアパートに女の子が」
困ったように静音は言う
「仕方ないから預かってるんだけど、すっかりなついてしまってどうしようもないんだ」
「分かった。飛山さんが空いている時に会いに行こう」
「助かるよ」

「真! 私もついてきていいかい?」
マコトはわくわくと言わんばかりに目を輝かせている
「君がいないと「事件」にあった時が困るからね。でも、邪魔はしないこと」
「勿論!」
子供のようにはしゃぐマコトを見、真はため息を吐いた