バ科学者のノート 2冊目

小説をただひたすらに書いていく

2016-08-17から1日間の記事一覧

共闘戦線

「ちっ、やっぱ【6】相手はきついな……」 盾を地面に突き立て、梨沢は呟く 研究のネタ探しにルイウの討伐を行っていたら、自分のレベルより上のルイウに遭遇してしまったのだ そのまま見逃しても良かったのだが、先に住宅地があるのを思い出し、舌打ちをしな…

64 残る禍根

「やはり罪悪感を感じてしまいますね」 窓からの景色を見下ろしながらルソーは呟いた 視線の先には一人で帰路につくコマチ。気丈にふるまっているが一挙動毎に不安が現れている 「人を殺すときは何も思わねェくせにな。おっそろしい奴」 それを傍らで眺めな…

留守番たちのティータイム

研究に煮詰まった梨沢が階下に降りると、居間には二人しか姿が見えなかった 「おい、柿本」 梨沢が声をかけると、ティーカップを並べていた少年が振り返った 否、少年ではない。彼は「少年の姿をした少女」である 「どうした、梨沢」 僅かに笑いながら彼女は…