バ科学者のノート 2冊目

小説をただひたすらに書いていく

2016-08-30から1日間の記事一覧

天才の葛藤

梨沢は孤独であった 生まれ持った物理学に対する才能が仇となったのだ 彼の周りによりつくものはおらず、いじめにさえ発展しなかった 「俺を見る目は皆、奇異な生物を見るようだった」 梨沢は以前そう言ったことがある。誰に対してかは、まだ思い出せない だ…

72 裏世界への嫌悪

ガチャン 日常使いしていたコップを手から滑り落とし、ようやくミツミの目は覚めた 彼は疲弊していた、日常における激務に 日中普通に仕事をしている分には問題なかった。ただ、彼には「深夜の業務」があった そう、彼は殺人鬼さえ受け入れ手がける「闇医者…

生贄の天才

「なんや、梨沢も実は買うもの溜まってたやないかい」 「てめぇの方が買ってるだろ、真苅……」 梨沢は栗原と共に真苅に駆り出され、ショッピングにいそしんでいた 研究の成果がうまく出ず、おまけに最近変な夢や妄想にとりつかれて苛立っている梨沢に気分転換…