バ科学者のノート 2冊目

小説をただひたすらに書いていく

2018-12-17から1日間の記事一覧

5 言いたかった言葉

渡来の書物は面白かった 元来読書家の彼にとって渡来の書物はそれだけで興味をそそる代物だった 中でも目を引いたのは「探偵小説」 「でてくてぶ」……もとい「探偵」が事件を解決する物語だ その中で探偵が決まって言う科白がある 「犯人はお前だ」 私の推理…

4 黒い気

真は眉間に皺を寄せていた 人通りの多いところに出ると、「それ」がはっきりと見える 善良そうな人の中に、明らかに具合の悪そうな者が居る しかもそれは決まって「黒い醜悪な気」を放っている 「真、君には見えているはずだ」 横の黒ずくめの男は真に囁く …

22 気弱な仮面

「そう、ですか。僕は貴方たちを傷つけようと……」 意識が回復した千鳥は、遠賀川と水城の説明を受けてそう呟いた 「幸い誰も怪我はしていない。安心しろ」 「ご迷惑をおかけしました」 「……千鳥」 遠賀川が声をかける 「近くに相模が転がってるのを見たんだ…