バ科学者のノート 2冊目

小説をただひたすらに書いていく

4 黒い気

真は眉間に皺を寄せていた
人通りの多いところに出ると、「それ」がはっきりと見える
善良そうな人の中に、明らかに具合の悪そうな者が居る
しかもそれは決まって「黒い醜悪な気」を放っている

「真、君には見えているはずだ」
横の黒ずくめの男は真に囁く
「黒い醜悪な何か。それは君が暴かなければならない」
「暴く? 何のことだ」
「この気は、私たち「怪盗」と君たち「探偵」にしか見えない。放っておくと、とんでもないことになるよ」
「忠告のつもりか?」
真は更に眉間の皺を深くする

「兎に角、きみには協力してもらわなきゃならない」
マコトは真のうしろをぴったりついてくる
真はもはやそれに文句も言わずに、仕事のために歩を進めた