バ科学者のノート 2冊目

小説をただひたすらに書いていく

【逢魔ヶ刻に止まる刻】用無しの軍人

修理に出していた軍刀が戻ってきた
いや、正確にはもう使えなくなった軍刀を売り払って新しいものを調達した
人形を壊す度に軍刀も壊してしまうので、そろそろ銃器の使用を検討したいと言ったら、同期に笑われた

はっきり言ってやりきれない。僕は思う
対人形の軍隊に「左遷」されて一年
務め続けているうちに徐々に全貌が明らかになっていく

そもそも僕ら軍人の最終的な目標は「太陽の再起動」である
太陽の停止と同時に現れた人形も何か関連があるかもしれないと最初は上も躍起になっていたが、最近はあまり話に耳を傾けてくれない
そう、その能力の高さ故に軍人に回されているが、「人形撲滅」は警察にでも任せられる「必要のない組織」なのである

すっと、思い立ったように軍刀を抜く
新品の軍刀は輝きを放ち、夕日の強い光を反射した
第4部隊は、棄てられる存在なのだろうか
棄てられた後、僕の部下はどうやって生きていくのだろうか
そもそも彼らは「いらない存在」であることを知っているのだろうか

分からない
僕は僅かに落胆し、軍刀を仕舞った