35 ごめんね
「ルソー」
フブキがおにぎりを持って部屋に入る
ルソーはベランダの塀に寄りかかり、間もなく満月になろうとしている月を眺めていた
「珍しいわね、貴方が夜更かしだなんて」
「……確かに、最近は忙しかったですから」
必要なことしか口にしないルソー
「……行くんでしょ、カルミアに」
ルソーの手の動きが止まる
「何処でそれを?」
「ルソーの様子がおかしいのは、すぐに分かるわよ。きっと、危ないことだっていうのも分かる」
「でもね」
フブキはサンダルに足をひっかけ、ルソーに寄る
「貴方が何を思っていても、私は貴方の好きなようにさせようって決めたの。だから、一つだけ、約束」
フブキはルソーに覆い被さるように抱いた
「絶対、生きて、帰ってきなさい」
「……はい」
小さい頃、約束があると指切りをした
今はそんなことはしないが、嘘はつけない
ルソーはフブキの腕をとりながら、その温もりを感じていた
フブキがおにぎりを持って部屋に入る
ルソーはベランダの塀に寄りかかり、間もなく満月になろうとしている月を眺めていた
「珍しいわね、貴方が夜更かしだなんて」
「……確かに、最近は忙しかったですから」
必要なことしか口にしないルソー
「……行くんでしょ、カルミアに」
ルソーの手の動きが止まる
「何処でそれを?」
「ルソーの様子がおかしいのは、すぐに分かるわよ。きっと、危ないことだっていうのも分かる」
「でもね」
フブキはサンダルに足をひっかけ、ルソーに寄る
「貴方が何を思っていても、私は貴方の好きなようにさせようって決めたの。だから、一つだけ、約束」
フブキはルソーに覆い被さるように抱いた
「絶対、生きて、帰ってきなさい」
「……はい」
小さい頃、約束があると指切りをした
今はそんなことはしないが、嘘はつけない
ルソーはフブキの腕をとりながら、その温もりを感じていた