バ科学者のノート 2冊目

小説をただひたすらに書いていく

34 残り二日

「いよいよ動き出すんだな」
アイラの言葉にルソーは強く頷いた
フブキと草香が買い物に行っている間に、ヤヨイを呼んで三人で寄り合っていた

「悪いけど、私は動けそうにない」
ヤヨイは申し訳なさそうに言った
「誰が広めたか分からないけど、私が心器使いの例外であることがばれてしまったみたいなの。世間が落ち着くまで、動けそうにない」
「無理はしないでください、ヤヨイさん。これは、完全に僕個人の復讐ですから」
ルソーは視線を落したまま言う

「『猿回し』がいないだけ前回よりは楽だろうよ。ハシモトも金を使うって珍しく言ってるんだからな」
「あとは姉さんにばれないように動くだけです」
ルソーは忌々しそうに言う
「今度は殺しますよ。手を抜けば這い上がってくることはわかりましたからね」

ルソーは紅茶を一口飲みながら外を見た
寒くなりつつある昨今、すかっと晴れた青い空が見える
小さい頃はよく外に遊びにいったか、とルソーは思い返す

「必ずやりますよ」
ルソーは呟いた