バ科学者のノート 2冊目

小説をただひたすらに書いていく

14 それが噂になるまで

「ねぇ、昨日のニュース、見た?」
日直日誌を書く少女に、別の少女が話しかける
「『首狩り』、また出たってよ」

「知ってるわ。今この街に住み着いている死神でしょ」
日誌を書いていた少女は眼鏡を上げる
漆黒の髪を二つに結び、校則通りに制服を着こなす彼女は、学級委員長であった
「黒い古ボロに骸骨のマスクをつけて、出会った学生を襲っているとか」

「うちの生徒も、もう何人犠牲になったんだろうね」
委員長のそばについている茶髪の少女は教室を見渡しながら言った
机にてんてんと置いてある花瓶。そこに咲く一輪の花
「物騒な時代になったよね」

ネクロフィリアって言われた方が、まだ納得できるわよ」
委員長は立ち上がる。茶髪もそれを見て鞄をかかえる
「ねくろふぃりあ? なにそれ」
「死体愛好家ってところかな」
「超キモくない?」
「貴方も遅くまで遊ばないのよ」
「分かってるって」

学校から出てくるその二人を、陰で見つめる者が居た

茶髪の少女は、次の日、一輪の花となって教室に現れた