バ科学者のノート 2冊目

小説をただひたすらに書いていく

6 首のとれた死体

渋る先生を引っ張りながら声の聞こえた方に向かうと、人だかりができていた
人の波をかき分けると、真ん中に見えてきたのは、赤
「っ……!?」
息が詰まった
そこにころがっていたのは、首と、首のない身体だった

「先生、これって」
「見てわかるだろ。「切断」されたんだよ」
「何でそんなに冷静なんです!?」
「聞くな」

先生は死体に近寄ってまじまじと眺める
野次馬は携帯を取り出して写真を撮り続けている
私は何もできないまま、呆然と先生を見ていた

「恵美奈。そこの町民会館にいる人を集めておいてくれ」
「あ、は、はい!」
私は慌ててその場から走って抜けていった
難しそうな顔をする先生を見て、少し心配になった