バ科学者のノート 2冊目

小説をただひたすらに書いていく

クラスメヱト

2 初登校

制服は嫌いではない ぴしっと締め付ける感覚は心まで正される心地よい感覚だ いつものヘッドホンをつけ、階下に降りると、下宿先のおばさんが朝食を用意してくれていた 新学期が始まって間もないこの頃 桜の花びらはまだその形を保って風に揺れる 同じ制服の…

1 引っ越し

ガタン 大きく体をゆすられ、遠賀川暁は目を覚ました 薄暗いトラックの荷台にゆすられる経験はそうそうできないというのに、寝ていたようだ。 「……」 ヘッドホンに手をあて、遠賀川はうつむく 黒地のヘッドホンに、同じ黒でウサギのマーク 彼は聴覚が過敏………

プロローグ

ようこそ、我がベルベットルームに おやおや、今回のお客様は少々勝手が違うご様子 貴方に備わっているのは【虚無】の力 決して縛られることのない世界に住んでいるようだ 貴方は最後には一人になる けれど、決して「独り」ではない 意味はあとから知ればい…