バ科学者のノート 2冊目

小説をただひたすらに書いていく

9 遊び

「やっぱり水城は男役が安定しているな!」
部活仲間の褒め言葉を素直に受け入れて喜ぶ水城
「あざっす!」
「でも、たまには女の子の役もしたくないの?」
「俺は男になりたいんだ。それがかなうのは演劇だけだからさ」

「水城さん、そろそろ帰りましょう?」
功刀宮の呼びかけに水城は片手を上げて反応した
「おっけー。着替えてくるからちょっと待っててくれ」
そう言って水城は更衣室に入っていった

「ふー」
息を吐きながら着替える水城
ふと、鏡に映る自分の姿を見てしまい、眉間に皺をよせる
「……遊びじゃないんだぞ」
低い声でそう言うと、水城は制服に袖を通した