バ科学者のノート 2冊目

小説をただひたすらに書いていく

【スーツ武器オフ会】腐食する存在価値【タイローン編】

くしゃり

乱れた髪を握り、彼は檻の端に座り込む。

目に映るものすべてが乱れていく感覚。

むかつくことに、彼はこの監獄に感謝していた。

 

嫌なにおいを発する歯列も。

動きを阻害するレザーのグローブも。

彼が「普通」を名乗るために必要な道具。

時折の客人は、任務か兄弟かだけだった。

 

彼の名はタイローン・ノーティス。

「未来視」を持つディクライアンと、「音」を食らうノイジー実弟

彼は、「腐食」の能力を持った、areaMの模範囚だった。