2019-11-07 【スーツ武器オフ会】腐食する存在価値【タイローン編】 くしゃり 乱れた髪を握り、彼は檻の端に座り込む。 目に映るものすべてが乱れていく感覚。 むかつくことに、彼はこの監獄に感謝していた。 嫌なにおいを発する歯列も。 動きを阻害するレザーのグローブも。 彼が「普通」を名乗るために必要な道具。 時折の客人は、任務か兄弟かだけだった。 彼の名はタイローン・ノーティス。 「未来視」を持つディクライアンと、「音」を食らうノイジーの実弟。 彼は、「腐食」の能力を持った、areaMの模範囚だった。