バ科学者のノート 2冊目

小説をただひたすらに書いていく

13 覚醒

遠賀川は目の前の金色の狼に驚いていた
手を模した謎のオブジェがくるくると狼の首を周る
狼の顔には半分だけの仮面が付けられていた
一目見て超自然的な現象だというのに、遠賀川は少し驚いた程度で、そのまま狼の前に立っていた

『どうすればいいか分かんねぇよ』
彼女は確かにそう言った
それは、「不協和音」に苦しむ自分を見ているようだった

「水城……」
ドクン
自分の中に何かが渦巻いているのを感じた
彼は狼と真向に向き合い、呟いた

「……「「隔絶」無知の仮面」」

汝は 我 我は 汝

彼の周りに、白い巻物のような紙が現れた