バ科学者のノート 2冊目

小説をただひたすらに書いていく

【スーツ武器オフ会】欲無き男の唯一の願い【タイローン編】

サイレンの音が響く
俺の大嫌いな、頭に響く音
刑務官の走る音を聞きながら、俺は壁に背を預けていた

ガシャン
不意に違う耳障りな音
目を開けると、檻の中に鉄格子の扉が捨て置かれていた

「ねぇ、元気にしてる?」
無邪気を装った邪険の塊
その姿は.......動物?

「何しに、来た」
「君を助けに来たんだよ」
余計なお世話だ。口には出さないがそっぽを向く
「あなた、ここから出ようとは思わないの?欲望は?野望は?」

「あなたの願いが叶うチャンスだよ?」

「俺の、欲望?そんなもの、ない。静かに、暮らして、いたい。一生、檻の、中で、いい」
ああ、でも、もし、一つだけ、叶うなら

「兄貴達を.......」