バ科学者のノート 2冊目

小説をただひたすらに書いていく

4 暴動の報告

翌日、似長と雷堂は共に警察署に赴いていた
頻繁に警察所に赴く彼らは、もう既に警官と顔なじみである
「よ、白ちゃん、八雲っち」
「ちょっと失礼するよ」
「あ! 執行人さん!」
白と呼ばれた女性警官が駆け寄る
その後ろから八雲と呼ばれた男性警官も近づく

「昨日はうちの新人がお世話になりました! あのまま暴徒が増えてたら収集つかなくなってましたもん」
「あの後収拾するのがすごく楽になってよかった。上からも礼がきてるよ」
「それはなにより」
白と八雲の報告に、雷堂はにっこり笑って頷いた

「それで、ここ最近暴徒が増えてきてんの、原因はつかめたのか?」
似長の言葉に、白は眉間にしわを寄せた
「それが、うちのネットワークに頼っても、全然何にもかからないんです。もしかしたら、新しい組織ができたのかもしれませんし」
「ほう、新しい組織」
雷堂が興味深げに聞く

「ここ数か月で団体らしき引っ越しが起こって、住民も荒れてるみたいなんだよ。まぁ、何が起こるかわからないから、調査は続けるけどな」
「悪いな。お前たちしか頼れなくて」
「いいんだよ。俺たちも助かってるんだからな」

さて、と似長は手を打った
「一旦事務所に戻ろうぜ、雷堂さん」
「そうだね。邪魔したよ」
「いえいえ、また来てくださいね!」
見送る二人に手を振り返し、似長と雷堂は歩き出した