バ科学者のノート 2冊目

小説をただひたすらに書いていく

とあるカフェにて

「んーっ!」
デスクに向かいっぱなしだった大黒屋は思い切り伸びをした
バイスに向かいっぱなしはさすがに体にもくる
『おーおー、疲れやすくなってるんじゃねぇの?』
頭の中で響くのは「闇華」の声
「うるせぇやい」と一喝する

丁度昼時だった。お昼ご飯を取らねば
そう思って研究所から出ると
「あっ」
そんな声がして顔を上げた
二人の人物がこちらを向いていた
「大黒屋、久しぶりやな」
「梨沢、真苅」

真苅の誘いで近所のカフェに入った大黒屋は、その流れでオムライスを頼んだ
「やー、行ってみるもんやな。こうもあっさり会えるなんて思ってなかったで」
「わざわざ会いに来てくれたのかよ。嬉しいな」
ニコニコとする真苅に対し、梨沢は不愛想にコーヒーをすする

「どうした、梨沢。なんか考えてんのか?」
「……別に」
一度はそう返した梨沢だったが、やがてしびれを切らしたのか大黒屋に切り出した

「大黒屋、俺たちは「異端」か?」
「うん?」
大黒屋は一瞬質問の意図を察しきれず、首を傾げた
「まぁ、【ヘテロ】にいる以上は異端……じゃねぇの? 気にしたことはないけど」
「そう、か」

「なんや、まだ下上はんのこと気にしとるんか?」
真苅は梨沢を小突く
「下上……、ああ、警察機構の」
「知ってるのか」
「顔は合わせたことはある。俺のこと、かなり毛嫌いしていたがな」
「……」

「そんなに気にするなって。彼女なりになんかあるんだろうが、俺たちには関係ねぇよ」
「そう、だな」
梨沢はとりあえず頷いた

「でな、今度の医療会議やねんけど、機械操作のレクチャー依頼されてん!」
「まじか! やるじゃねぇか、真苅!」
そんな話に花を咲かせる二人を見ながら、梨沢はまた一口コーヒーをふくんだ