新しい始まり
ふと、目が覚めた
倒れこんでいた床が僅かに温もりをもっている
頭が痛い。重い何かに潰される感覚である
それをこらえて起き上がって辺りを見る。どうやら小さな白い部屋である
「やぁ、目覚めたかい」
不意にそんな声をかけられ、振り向いた
つい先程知った顔が、そこにあった
「鬼才様…」
「おや、僕の名前が分かるんだ。ということは、つい先程何が起こったかは覚えているかな?」
ああ、ああ、そうだ、思い出した
我々は「死んだ」のだ。死んだ筈なのだが
「どうやら当初の計画通り、新しい「セカイ」に転送されたらしいね」
本来なら記憶のリセットがかけられる筈なのだが、当初はそんなこと分からなかった
「…生きているのですね、私達」
床に視線を落とすと、柿本様、真苅様、栗原様がまだ眠っていた
「残念ながら、ね」
そう言う鬼才様はどこか楽しそうだった
「…さて、この先についてなんだけど、君は行きたいところとか、やりたいこととかあるかい?」
鬼才様に問われ、私は首を振りました
「元来死ぬつもりでしたので、先のことは考えておりません」
「だろうと思った。だったらさ、一寸だけ僕の我が儘を聞いてくれないかな」
「鬼才様の、ですか?」
「僕ね、いつか自立して、探偵がやりたかったんだ」
かくして我々は「異探偵」の道を歩むことになる
これは、ちょっと別のセカイでの話
「…酷いですよ、鬼才先輩…、私をおいて、死ぬなんて…」
倒れこんでいた床が僅かに温もりをもっている
頭が痛い。重い何かに潰される感覚である
それをこらえて起き上がって辺りを見る。どうやら小さな白い部屋である
「やぁ、目覚めたかい」
不意にそんな声をかけられ、振り向いた
つい先程知った顔が、そこにあった
「鬼才様…」
「おや、僕の名前が分かるんだ。ということは、つい先程何が起こったかは覚えているかな?」
ああ、ああ、そうだ、思い出した
我々は「死んだ」のだ。死んだ筈なのだが
「どうやら当初の計画通り、新しい「セカイ」に転送されたらしいね」
本来なら記憶のリセットがかけられる筈なのだが、当初はそんなこと分からなかった
「…生きているのですね、私達」
床に視線を落とすと、柿本様、真苅様、栗原様がまだ眠っていた
「残念ながら、ね」
そう言う鬼才様はどこか楽しそうだった
「…さて、この先についてなんだけど、君は行きたいところとか、やりたいこととかあるかい?」
鬼才様に問われ、私は首を振りました
「元来死ぬつもりでしたので、先のことは考えておりません」
「だろうと思った。だったらさ、一寸だけ僕の我が儘を聞いてくれないかな」
「鬼才様の、ですか?」
「僕ね、いつか自立して、探偵がやりたかったんだ」
かくして我々は「異探偵」の道を歩むことになる
これは、ちょっと別のセカイでの話
「…酷いですよ、鬼才先輩…、私をおいて、死ぬなんて…」