バ科学者のノート 2冊目

小説をただひたすらに書いていく

16 鉄パイプと爆発

「こっちだ、化け物!」
赤城は黒い物体をおびき寄せるように走る
ぬちゃぬちゃと粘着音を立てるそれは、それでも速いスピードで追ってくる

やがて人影のないところまでおびき寄せた赤城は持っていた鉄パイプを回して黒い物体に向けた
「かかってこい。一匹残らずやってやる!」

一匹が飛び出た
赤城はそれを狙って鉄パイプで殴る
ジュッという蒸発する音が響き、黒い物体が消え去る
群れはそれを見て僅かに下がる

「来ないならこっちからいくぞ!」
赤城は鉄パイプを放り投げた
群れの中腹に刺さった
鉄パイプは、大きなエネルギーをもって爆発する
水蒸気が消えたころ、黒い物体は跡形もなく散っていた

『山さん、もうそこに敵はいないから、しばらく休んでて』
真宮の声が聞こえる
赤城はそれをきいてふらついた足取りで鉄パイプを回収すると、近くの瓦礫に身を置いた